登録販売者として接客スキルを磨こう。現場で使える声掛けとフレーズをチェック!

さまざまなお客様がご来店するドラッグストア。ここで働く多くの登録販売者が、「接客スキルを磨きたい」と考えています。

本コラムではドラッグストアを例にとり、来店されたお客様への自然な声掛け、スムーズな販売に繋がるフレーズを紹介します。お客様が目的に合う商品を選べるよう、サポートすることで登録販売者としてのスキルがさらに向上するはずです。

登録販売者は「声かけ」が基本

ドラッグストアには薬目当てのお客様のほか、食品、日用品などを求めて不特定多数の人が訪れます。

風邪気味、軽い腹痛や頭痛、ちょっとしたケガなど、何らかの不調を抱えたお客様は、薬を探そうと店内を歩くだけでも苦痛を感じています。目当ての薬をせっかく見つけても、複数ある中から選ぶのは大変です。そういうときこそ、登録販売者が的確に声をかけ、お客様のスピーディな買い物につなげたいものです。

また、お客様の中には「店員さんに相談したいけれど、自分から話しかけるのは苦手」という人もいます。普段から品出しやレジで元気に声を出し、お客様の視線を感じたらさりげなく声をかける方法もあります。

薬の説明をするだけが登録販売者の仕事ではありません。ベストなタイミングで声かけをし、お客様の買い物に役立つ接客ができれば仕事がさらに楽しくなるはずです。

お客様の行動を見て効果的な声かけを実践

ドラッグストアに来店されたお客様を観察すると、さまざまなことが見えてきます。

ゆっくりと店内を回るお客様はドラッグストアそのものが好き、あるいは新商品のチェックに来られたと想定されます。来店してすぐに特定の棚に向かうお客様は、何を買いに来たのか、およその見当をつけることができます。何より声かけをしたいのは、顔色やご様子から体調不良が伺えるお客様です。例えば、風邪薬を手にとって考えているお客様がいたらどのようなフレーズで声をかけますか?具体例を紹介します。

売り場別 おすすめフレーズ


風邪薬

風邪薬売り場には多種類の薬が置かれています。まずは自然な声かけとして

「お薬をお探しですか?」

「お薬を探すのをお手伝いいたしましょうか?」

と尋ねてみましょう。

更に「どのような症状がありますか?」と尋ね、お客様から「のどが痛くて」「鼻がぐずぐずします」といった回答が返ってくれば、複数ある風邪薬の中からピンポイントで勧めることが可能になります。

また、

「いつも選んでいる薬はありますか」

「メーカーのこだわりはございますか」

といったフレーズもよりお客様のご希望に合った商品をご提案しやすくなるので、よい質問といえるでしょう。

医療機関からお薬が処方されていないかなど、併用薬の確認や副作用歴、アレルギー歴の確認も忘れずに行ってください。

目薬

目薬売り場にしばらく滞在しているお客様には、次のようなフレーズがおすすめです。

「目の症状で何かお困りでしょうか?」

こう尋ねられたお客様は「目がかゆい」「ゴロゴロする」と答えやすくなります。

細菌の感染が疑われる、症状がひどい場合など、市販薬で対応しきれない場合は医療機関の受診を促すことも忘れないでください。

皮膚薬

お客様がお肌に何らかの症状やお悩みを抱えていると想定されます。

もし、塗り薬を見ていたら

「塗る部位はどこですか」

「かゆみ、それとも痛みでしょうか」

というフレーズによって具体的な症状を聞き出すことができます。

皮膚薬は軟膏、クリーム、ローションなど同じ成分を含むものでも剤形によって使用感が変わるため、「症状のある範囲はどのくらいですか」「日中も症状が出ますか」などのフレーズを使って、塗る範囲や薬を主に使用するタイミングを確認するのも、よいご提案につながると思います。

サプリメント

サプリメントの種類は非常に多く、お客様との会話なしにご希望に寄り添うことは困難です。声がけとして

「どのような効果のサプリメントをお探しでしょうか」

とシンプルに尋ねるのがおすすめです。

そこからお客様のお悩みの内容、期待されている効果を把握し、適切な商品提案に繋げることができます。

サプリメントは販売しているメーカーも多く、同じ成分でもメーカーによって薬の大きさが違ったり、含有されている成分量が異なったりします。また、入っている錠数にも違いがあります。お客様によっては複数の成分がまとまった商品をご提案する方がいくつも飲む手間が省けて、喜ばれることもあります。

「お薬は飲みにくくないですか」「他に何かサプリメントを飲まれていますか」などのフレーズを使って、よりお客様に寄り添ったご提案もできるかと思います。

剤形について

薬の種類にかかわらず、剤形も会話の糸口になります。

「粉薬は飲みにくいですか」「塗り薬のべとつきが気になりませんか」「貼り薬がはがれやすかったりしませんか」などのお声かけを使って、適切な剤形がご提案できれば、よりお客様の満足を得ることができると思います。

登録販売者としてお客様に寄り添う大切さ

ドラッグストアに勤務する登録販売者は、資格を活かした一般用医薬品の説明をはじめ、薬以外の商品案内、POPづくり、商品の陳列等、「販売」の業務に多く携わります。売上が多ければうれしい気持ちになり、接客にますます身が入ることも多いでしょう。

しかし、特に薬をお求めのお客様への接し方は注意が必要です。何らかの症状や悩みを抱えているのですから、ご要望をスムーズに把握し、お悩みや気持ちに寄り添うことが大切です。「売ること」が最優先にならないよう、気を付けましょう。

また、薬選びのお手伝いは登録販売者としての腕の見せどころではありますが、実際に服用するのはお客様です。お客様の悩みの解決につながるようにお手伝いをさせていただく、という謙虚な姿勢が大切です。そのためにも、ヒアリングや会話のキャッチボールといった接客スキルが求められます。

薬の情報をアップデートし、お客様が納得される説明を心がけることはもちろん、専門用語を並べ立てたりしないことも大切です。

「誰が使用するか」「副作用歴」「アレルギー歴」「併用薬の有無」など医薬品を販売する際に必ず確認しなければならない事項も忘れずに確認してください。

プラスαの接客でお客様にも店舗にも貢献

「薬の服用」が症状の改善に直結すると考えるお客様は少なくないでしょう。しかし、症状によっては薬以外の部分、例えば食事、運動、睡眠といった「生活習慣」に見直すべき点があることも。症状にマッチした薬を紹介するのはもちろん、失礼にならない程度に話を掘り下げ、生活習慣のアドバイスができれば理想です。

また、お客様との会話やご様子によっては、医師の受診をおすすめすることも大切です。一般用医薬品では改善が見込めないと判断されるのであれば、症状が悪化する恐れがあります。「一度、病院に行って受診されてはいかがでしょうか」という声かけをしましょう。

お客様の中には誰にも話しかけられたくない人もいます。それを悟った時点で声かけは控え、お客様の買い物を邪魔しないことも大切です。

登録販売者であると同時に勤務するドラッグストアの一員であることを忘れず、お客様が快適に過ごせるように配慮できれば、お客様はきっと「あの店にまた行こう」と思ってくださるはずです。それが結果的に店舗への貢献につながります。

まとめ

・多様な商品を扱うドラッグストアには、さまざまな目的でお客様が来店されます。

・お客様が何に悩んでいるのか、どんな症状でお困りなのかを引き出すフレーズを身につけましょう。

・お客様が向かった売り場など、行動から目的を推察できることがあります。登録販売者の資格を活かした効果的な声かけに努め、お客様のお悩みに寄り添いましょう。

・お客様によっては話しかけられたくない人、一般用医薬品では改善が見込めないケースもあります。状況に応じて声かけを控える、病院の受診を勧めるのも大切な仕事です。


登録販売者が一般用医薬品の知識を持っているのに対し、お客様は薬に詳しくなく、薬選びにも時間がかかってしまいます。タイミングを見計らって効果的な声かけをすることで、お客様のお悩み解決や快適な買い物の実現につながります。

ドラッグストアやそれ以外の店舗でもニーズが高まっている登録販売者の転職は、スギ薬局グループの「キャディカル登販.転職」がサポートします。

お困りのことがありましたら弊社お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください!

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